税務経営コラム

法人成りのメリットとデメリット

2013.07.24

 法人成りとは、個人で行っている事業を法人に移行することですが、メリットとデメリットがあるので、税負担の比較はもちろん、経営の安定化や事業承継への影響を総合的に判断する必要があります。

以下にメリットとデメリットを簡単に列挙します。

(1)メリット

1 税率構造の違いを利用して税負担を下げることができる。

2 社長の給与が経費となり、給与所得控除が適用される。

3 赤字を個人(3年間)より長い9年間繰り越すことができる。
  →青色申告の場合

4 消費税が一定期間免除される。

5 経費にできる範囲が広くなる。
  →退職金、生命保険料、福利厚生費等

6 事業承継に便利。→個人の死亡で廃業とならない。

7 原則として有限責任となり、社会的信用が増大する。

8 事業年度が12月決算以外も選択でき、繁忙期を避けること
  ができる。

9 資金調達や補助金が受け易くなる。

10経営者やその家族も社会保険に加入することができる。

11減価償却が任意償却となっている。

12元入金処理がないため、貸付金又は借入金としてけじめの
  ある経営ができる。

(2)デメリット

1 初期費用として、設立費用がかかる。

2 決算申告が個人と比べて複雑化するため記帳等のコストが
  かかる。

3 従業員の社会保険料の負担が増える。

4 赤字でも税金が発生する。→均等割りが最低7万円

5 交際費について、事業用であっても金額に制限が設けられ
  ている他、一定割合が損金不算入となる措置がある。
  →平成25年4月1日~平成26年3月31日までの間に
  開始する事業年度は特例あり。

まとめると、法人成りした方が有利となるケースが多いという

ことですね。