税務経営コラム

相続財産が分割されていないときの申告

2013.07.18

1 相続財産が分割されていないときの申告

 相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10月以内に、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署に行います。

相続財産が分割されていない場合であっても上記の期限までにしなければなりません。

そのため、相続財産の分割協議が成立していないときは、各相続人などが民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして相続税の計算をし、申告と納税を行います。

2 当初申告と実際に分割した財産の額が異なるとき

 民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合で申告した後に、相続財産の分割が行われ、その分割に基づき計算した税額と申告した税額とが異なるときは、実際に分割した財産の額に基づいて修正申告又は更正の請求をすることができます。

修正申告は、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が多い場合にすることができます。更正の請求は、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が少ない場合に、分割のあったことを知った日の翌日から4月以内にすることができます。

3 小規模宅地等の課税価格の特例及び配偶者の税額軽減の特例を受ける場合

 当初の申告時には、これらの特例の適用を受けることはできませんが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割した場合には、特例の適用を受けることができます。この場合、分割が行われた日から4か月を経過する日までに「更正の請求」を行うことができます。